不動産売却の流れ完全ガイド|査定から引き渡しまでの全ステップ【2026年版】
不動産売却から引き渡しまでの全ステップを初心者向けに解説。相場査定から契約、税務処理まで、各段階での注意点と高く売るコツをわかりやすく説明します。
不動産を売却する際、「どのような流れで進むのか」「いくらで売れるのか」「どのくらいの期間がかかるのか」——こうした疑問を持つ方は多いでしょう。
本記事では、不動産売却から引き渡しまでの全ステップを完全解説します。相場を知り、適正価格で売却し、スムーズに取引を進めるためのポイントをお伝えします。
不動産売却の全体スケジュール
売却前の準備段階(1~2ヶ月)
- 相場調査・査定
- 不動産会社選定
- 媒介契約
売却・交渉段階(1~3ヶ月)
- 物件の広告・公開
- 購入希望者との交渉
- 売買契約
決済・引き渡し段階(1~2ヶ月)
- 決済準備(抵当権抹消など)
- 決済・引き渡し
全体で3~6ヶ月が標準的なスケジュールです。焦らず、適正価格での売却を目指しましょう。
ステップ1:相場調査と査定
相場を知ることの重要性
「いくらで売れるのか」を判断するため、まず相場を知ることが最重要です。
相場より高い価格を設定すれば売れない期間が長くなり、低い価格なら損をします。
相場調査の方法
方法1:AI査定サービス(最初のステップに最適)
- 不動産相場ナビなどのAI査定で、数分で参考価格がわかる
- 無料で使え、気軽に複数の物件と比較できる
- 欠点:物件の個別性は反映されない
方法2:不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'Sなど)
- 同エリアの類似物件の売出価格を調べる
- 複数の物件を見ることで「市場感覚」が養われる
方法3:公示地価・路線価
- 国土交通省が公表する「公示価格」や国税庁の「路線価」
- エリアの公的価格を知るのに有用
方法4:訪問査定(複数社)
- 不動産会社に頼んで、実際に物件を見てもらう
- 建物の状態を踏まえた、より正確な査定額が得られる
訪問査定を取る際の注意
複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
査定申し込み時の注意
- 3社以上に依頼する
- 大手だけでなく、地元の不動産会社も含める
- 査定根拠を詳しく聞く
- 「売却予定時期」を正直に伝える(すぐに売りたい場合は安くなることもある)
各社で査定額が異なるのが普通です。「なぜこの価格なのか」という根拠を聞くことが重要です。
ステップ2:不動産会社の選定と媒介契約
不動産会社選びのポイント
査定額だけで判断してはいけません。重要なのは「売却をサポートする力」です。
チェック項目
- 売却実績(特にあなたと同じエリア・物件タイプ)
- 営業担当者の対応の丁寧さ
- 査定の根拠説明が詳しいか
- 広告・マーケティング力
- 両手仲介を避けている姿勢
「両手仲介」に注意:同じ不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を取る仲介方法。売上が増えるため、買主側の値下げ交渉に応じやすくなる傾向があります。
媒介契約の3つのタイプ
不動産会社と結ぶ「媒介契約」には3つの種類があります。
| 契約タイプ | 複数社依頼 | レインズ登録 | 有効期間 | 売却期間 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 不可 | 5営業日 | 3ヶ月 | 短い傾向 |
| 専任媒介 | 不可 | 7営業日 | 3ヶ月 | 短い傾向 |
| 一般媒介 | 可 | 登録不必須 | 制限なし | 長くなる可能性 |
初めての売却なら「一般媒介」がおすすめ:複数の不動産会社に依頼できるため、より多くの買い手に届き、より高く売れる可能性が高まります。
ステップ3:物件の広告と営業活動
物件情報の公開
媒介契約後、不動産会社が物件をポータルサイト(SUUMO、HOME'Sなど)に登録し、広く買い手を募ります。
登録される情報
- 写真(外観、リビング、寝室など)
- 面積、築年数、間取り
- 設備・仕様
- 売出価格
- 最寄り駅からの距離
- その他の特徴
質の良い写真と説明文は、購入希望者の問い合わせ数に大きな影響を与えます。
内見対応
購入希望者が内見に訪れます。
内見時の注意点
- 部屋を清潔に保つ(掃除、整理整頓)
- 照明をつけて、部屋を明るく見せる
- 嫌なにおい(ペット臭など)をなくす
- 売却理由を誠実に説明する
- 物件の良い点を(ウソでない範囲で)説明する
第一印象は非常に重要です。「できる限り良く見せる」という姿勢が、スムーズな売却につながります。
ステップ4:購入希望者との価格交渉
値下げ交渉への対応
購入希望者から「値下げしてほしい」という交渉が来ることは多いです。
値下げ交渉の判断基準
- 市場が動いている(複数の問い合わせがある):強気で値下げ応じず
- 市場が静か(問い合わせが少ない):10~5%程度の値下げを検討
- 3ヶ月以上売れない:大きな値下げを検討
焦らず、但し「どうしても売りたい時期」が決まっているなら、早めに値下げで対応しましょう。
売買契約までの交渉
価格交渉以外にも、以下の項目が交渉対象になることがあります。
- 付帯設備:エアコン、カーテン棒などの付属物件
- 引き渡し時期:「いつまでに出ていくのか」
- 現状売却か瑕疵担保責任か:「見つかった不具合は売主負担か」
曖昧にせず、契約書に明記しましょう。
ステップ5:売買契約と重要事項説明
売買契約書の内容確認
買い手が見つかり、価格交渉が成立したら、売買契約を結びます。
確認する項目
- 売却価格と手付金額
- 引き渡し日
- 瑕疵担保責任の内容と期間
- 付帯設備の明記
- ローン特約(買い手側のローン不承認時)
- 契約解除条項
瑕疵担保責任:売却後に物件の不具合(壁のひび割れ、雨漏りなど)が見つかった場合、売主が責任を負う期間です。一般的には「引き渡し後3ヶ月」に設定されることが多いです。
重要事項説明
不動産会社から、買い手に対して「重要事項説明」が行われます。
売主側でも、説明内容に誤りがないか確認しましょう。
ステップ6:決済準備
抵当権の抹消
売却する物件に住宅ローンが残っている場合、抵当権を抹消する必要があります。
手続き
- ローン完済時に金融機関から「抵当権抹消に必要な書類」を取得
- 司法書士に抹消登記を依頼(費用:1,000~2,000円)
決済日までに必ず完了させます。
税務申告の準備
売却時に利益が出た場合、翌年に「譲渡所得税」を申告・納税する必要があります。
準備すること
- 購入時の領収書・契約書を探す
- 売却時の契約書をまとめる
- 仲介手数料などの経費を計算
税理士に相談することをお勧めします。
その他の事務手続き
- 各公共料金(電気・ガス・水道)の廃止手続き
- 転出届・転入届
- 郵便物の転送手続き
- 火災保険の解約
ステップ7:決済と引き渡し
決済日の流れ
売買契約から1~2ヶ月後、決済日に残金を受け取り、物件の所有権を譲渡します。
決済日の進行
-
司法書士との確認
- 抵当権抹消登記の確認
- 所有権移転登記の確認
-
残金の受取
- 買い手から売却価格 - 手付金 = 残金を受け取る
- 銀行振込が一般的
-
ローンの返済
- 売却資金でローンを一括返済
- 残金がある場合は自己資金で補填
-
所有権移転登記
- 司法書士が買い手の新しい所有者としての登記を申請
-
鍵の引き渡し
- 買い手に鍵を引き渡す
- 物件の最終確認
決済後の手続き
- 固定資産税の清算(通常は決済日までの分を買い手に返金)
- 管理組合への届け出(マンションの場合)
- 各種変更手続きの完了確認
不動産売却時の税務
譲渡所得税の計算
売却利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。
譲渡所得 = 売却価格 - (購入価格 + 仲介手数料などの経費)
税率(2026年現在)
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):39.63%(高い)
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):20.315%(低い)
例)購入価格2,000万円、売却価格2,500万円の場合
- 譲渡所得 = 2,500万円 - 2,000万円 - 仲介手数料(約80万円) = 約420万円
- 長期譲渡所得税 = 420万円 × 20.315% ≈ 85万円
マイホーム特例
自分が住んでいた不動産なら、マイホーム特例で3,000万円まで譲渡所得がなくなります。
条件
- 現在住んでいる、または住まなくなってから3年以内
- 売却前3年以内に他のマイホーム特例を受けていない
多くの方が対象になるため、該当する場合は忘れずに適用しましょう。
不動産売却時の注意点
注意点1:相場を大幅に上回る価格は避ける
「相場より高く売りたい」という気持ちはわかりますが、あまりに高い価格だと買い手がつかず、結局値下げを迫られることになります。
相場を基準に、最大10%程度のプレミアムが上限です。
注意点2:囲い込みに注意
不動産会社が「自社の買い客を見つけるまで、他社には情報を出さない」という「囲い込み」をすることがあります。
一般媒介契約を選ぶことで、この問題を回避できます。
注意点3:瑕疵を誠実に報告
物件に不具合(雨漏り、構造クラック、設備故障など)があれば、必ず報告しましょう。
報告しないと、売却後に買い手から損賠請求される可能性があります。
注意点4:売却時期を戦略的に選ぶ
売却市場は季節によって変動します。
- 売りやすい時期:春(3~4月)、秋(9~10月)
- 売りにくい時期:冬(12月~2月)
可能であれば、「買い手が多い季節」を狙いましょう。
よくある質問
Q1:売却と購入を同時に進められる?
可能ですが、タイミングが難しいです。「売却資金で新居を購入したい」場合は、先に売却を進め、その後購入を検討するのが安心です。
Q2:古い物件は売却できる?
築年数が古くても売却できます。ただし、築50年を超える建物は建替費用を考慮した価格になり、大幅な値下げが必要な場合があります。
Q3:相続した不動産も売却できる?
可能です。ただし、相続登記(所有権を故人から相続人へ移す登記)を先に済ませる必要があります。
まとめ
不動産売却は「相場調査」から「引き渡し」まで、複数のステップを踏む重要なプロセスです。
売却を成功させるチェックリスト
- AI査定で相場を把握した
- 3社以上に訪問査定を依頼した
- 査定根拠を詳しく聞いた
- 一般媒介契約を選択した
- 物件を清潔に見せる準備をした
- 税務申告の準備ができている
不動産相場ナビで売却予定の物件の相場を確認し、適正価格での売却を実現しましょう。焦らず、着実に進めることが、満足度の高い売却につながります。
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