媒介契約の3種類を徹底比較|専任・専属専任・一般の違いと選び方【2026年版】
専任媒介・専属専任媒介・一般媒介の違いを完全解説。契約期間・解除方法・レインズ登録義務・向いているケースを比較し、あなたに合った媒介契約の選び方を紹介します。
不動産を売却する際、不動産会社と結ぶ「媒介契約」には3種類あることをご存知でしょうか。「専任媒介」「専属専任媒介」「一般媒介」——それぞれに異なるルールがあり、どれを選ぶかで売却の結果が大きく変わることもあります。
本記事では、3種類の媒介契約の違い・メリット・デメリットを徹底比較し、あなたの状況に合った選び方を解説します。
媒介契約とは
媒介契約とは、売主が不動産会社に売却活動を依頼するための契約です。「依頼した会社が売却活動を行い、成立した場合に仲介手数料を受け取る」という内容が定められています。
媒介契約を結ぶことで、不動産会社はSUUMOやHOME'Sへの掲載、レインズへの登録、買い手探し、内見対応など、売却に必要な活動を行います。
媒介契約には宅地建物取引業法(宅建業法)による規制があり、国土交通省が定める標準媒介契約約款に基づいて締結されます。
3種類の媒介契約 比較一覧
| 項目 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| 複数の会社への依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
| 自己発見取引 | 不可 | 可 | 可 |
| 有効期間 | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 | 制限なし(実務は3ヶ月) |
| レインズ登録義務 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
| 活動報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
| 向いているケース | 早期売却を優先 | バランス重視 | 複数社で競争させたい |
専属専任媒介契約
特徴
専属専任媒介は、1社にすべてを任せる最も拘束力の強い契約です。
- 他の不動産会社への依頼:不可
- 自分で買い手を見つけた場合(自己発見取引):その会社を通じて契約しなければならない(通さなければ違約金が発生)
- レインズ登録:契約から5営業日以内(最も早い)
- 活動報告:1週間に1回以上(書面またはメール)
メリット
不動産会社が積極的に動く
1社専属であるため、その不動産会社は「売れなければ手数料ゼロ」というリスクを強く感じます。そのため、広告費の投入や積極的な購入者探しに力を入れる傾向があります。
レインズ登録が最も早い
5営業日以内のレインズ登録義務があるため、全国の不動産会社が物件情報にアクセスできるようになるまでの時間が短く、買い手候補が早期に現れやすいです。
活動報告が最も頻繁
1週間に1回以上の活動報告があるため、売却活動の状況をリアルタイムで把握できます。
デメリット
囲い込みのリスクがある
専属専任媒介の最大のリスクは「囲い込み」です。不動産会社が「両手仲介(売主・買主双方から仲介手数料を取る)」を狙い、他社からの購入希望者を意図的に遠ざける行為です。
囲い込みが起きると、本来もっと高く・早く売れた物件が、特定の会社の都合で売れ残る可能性があります。
自己発見取引ができない
知人に売りたい相手がいても、その会社を通じて契約しなければならず、仲介手数料がかかります。
向いているケース
- 早期売却を最優先にしたい
- 信頼できる不動産会社を見つけている
- 売却活動を積極的にサポートしてほしい
専任媒介契約
特徴
専任媒介は、1社に専属しながら自己発見取引を認めた契約です。専属専任媒介との違いは「自分で買い手を見つけた場合は、その会社を通さずに直接取引できる」点です。
- 他の不動産会社への依頼:不可
- 自己発見取引:可
- レインズ登録:契約から7営業日以内
- 活動報告:2週間に1回以上(書面またはメール)
メリット
専属専任媒介に近い積極的な売却活動
1社専属のため、不動産会社の売却意欲が高まりやすい点は専属専任媒介と同様です。
自己発見取引が可能
知人・親族などへの売却を検討している場合、仲介手数料なしで直接取引できます。
バランスの良い契約形態
専属専任媒介ほどの拘束力はなく、一般媒介ほど管理が煩雑にもならない「中間的な契約」として最も利用されています。
デメリット
複数社への依頼ができない
一般媒介と比べると、複数の不動産会社を競わせることができません。
囲い込みのリスク(専属専任よりは低い)
専属専任媒介ほどではないものの、囲い込みのリスクは存在します。
向いているケース
- 売却活動を1社にまとめたい
- 知人への売却も選択肢に入れている
- 報告や連絡のやり取りを減らしたい
- 初めての売却で迷ったらまずここ
一般媒介契約
特徴
一般媒介は、複数の不動産会社に同時依頼できる最もオープンな契約です。
- 他の不動産会社への依頼:可(複数社同時に依頼可)
- 自己発見取引:可
- レインズ登録:義務なし(各社の判断)
- 活動報告:義務なし
- 有効期間:法律上の制限なし(実務では3ヶ月が一般的)
メリット
複数社が競争して売却活動をする
複数の不動産会社に依頼することで、会社同士が「早く売れた方が手数料を取れる」という競争状態になり、より積極的に動いてもらえる可能性があります。
自己発見取引も可能
知人・親族への売却や、自分で買い手を見つけた場合にも対応できます。
特定の会社に縛られない
対応が悪い会社をいつでも外せます。
デメリット
レインズ登録義務がない
一般媒介では、レインズへの登録義務がありません。各社がポータルサイトに情報を掲載するため、「どの会社の物件か」が市場に伝わりやすく、買い手から「どうせ値引き交渉できる」と思われる可能性があります(囲い込みとは逆の問題)。
管理が煩雑になる
複数社と連絡を取り合う必要があり、情報の統一が難しくなります。「どの会社がどんな活動をしているか」を把握するのに手間がかかります。
積極的な広告投資をしにくい
どの会社も「他社に売られたら手数料ゼロ」になるため、広告費を大きく投資しにくいという面があります。
向いているケース
- 複数の不動産会社を比較しながら売却したい
- 囲い込みを避けたい
- 高額物件で少しでも高く売りたい
- 売却を急いでいない
媒介契約の選び方
ケース別おすすめ
急いで売りたい → 専属専任媒介 or 専任媒介
早期売却を優先するなら、不動産会社が積極的に動く専属専任媒介か専任媒介が向いています。特に「3ヶ月以内に売りたい」「引越し先が決まっている」などの事情がある場合は、1社に集中して活動してもらうのが効果的です。
できるだけ高く売りたい → 一般媒介 or 専任媒介
高額物件や人気エリアの物件で少しでも高く売りたい場合は、複数社を競わせる一般媒介が向いています。ただし、管理の手間がかかるため、不動産会社との連絡を苦にしない方向けです。
信頼できる1社に任せたい → 専任媒介
「対応が丁寧で信頼できる」と感じた不動産会社が見つかった場合は、専任媒介で任せるのが安心です。1社の担当者と密にコミュニケーションをとりながら進められます。
初めての売却でよくわからない → 一般媒介から始める
初めての売却で迷う場合は、一般媒介で複数社に査定・依頼を出し、実際の対応を見てから「この会社に専任で任せたい」と思えたら切り替えるのが安全です。
不動産会社の選び方も重要
媒介契約の種類だけでなく、どの不動産会社を選ぶかも同様に重要です。
選定時のチェックポイント:
- 同エリア・同物件タイプの売却実績があるか
- 査定根拠を詳しく説明してくれるか
- 担当者の対応が丁寧か
- 囲い込みをしない姿勢が見えるか(「他社にも開放します」と明言するか)
- 広告・マーケティングの具体的な計画を説明してくれるか
媒介契約の期間と更新
契約期間
専属専任媒介・専任媒介は、最長3ヶ月が法律で定められています。3ヶ月を超える契約は無効となります。
一般媒介は法律上の期間制限がありませんが、実務では3ヶ月で設定することが多いです。
自動更新はできない
媒介契約は自動更新ができません。期間が満了した場合、双方が合意した場合に限り、新たな契約として更新できます。
更新時には契約内容を再度確認し、必要に応じて条件を見直すことをおすすめします。
3ヶ月で売れなかった場合
3ヶ月で売れなかった場合、以下を検討してください。
- 価格の見直し:相場と乖離がないか再確認
- 不動産会社の変更:活動内容が不十分であれば、他社への切り替えも選択肢
- 媒介契約の種類変更:専任から一般へ切り替えるなど
媒介契約の解除方法
専属専任・専任媒介の解除
有効期間中でも、正当な理由があれば解除できます。
解除が認められる主なケース
- 不動産会社が活動報告義務を怠った
- レインズへの登録義務を守らなかった
- 囲い込みが明確に確認できた
- 担当者の対応が著しく不適切
解除の手順:
- 不動産会社に書面で解除を申し出る
- 解除事由を明確に記載する
- 鍵や重要書類を返却してもらう
注意:正当な理由がない解除(単なる気が変わった等)の場合、不動産会社から活動にかかった費用(広告費など)を請求される可能性があります。
一般媒介の解除
一般媒介は比較的解除しやすい契約です。原則として、書面での通知により解除できます。
媒介契約時の注意点
注意点1:高すぎる査定額に注意
媒介契約を取得するため、実際には売れない高い査定額を提示する不動産会社があります。
「なぜこの価格なのか」の根拠を必ず確認し、相場と大きく乖離した査定額には注意が必要です。
注意点2:レインズ登録を必ず確認
専属専任・専任媒介の場合、レインズへの登録が義務づけられています。登録後、不動産会社から「登録証明書」を取得し、実際に登録されているか確認しましょう。
注意点3:活動報告書は保管する
定期的に届く活動報告書は必ず保管してください。後で「報告がなかった」というトラブルを防ぐためです。
注意点4:標準媒介契約約款に基づいているか確認
国土交通省が定める「標準媒介契約約款」に基づいた契約書を使用しているか確認しましょう。標準約款に基づいていれば、不当な特約が入りにくくなります。
注意点5:両手仲介への注意
「両手仲介(売主・買主双方から手数料を取る)」を目的に、囲い込みを行う不動産会社があります。
囲い込みを防ぐためには:
- 一般媒介を選ぶ
- または、レインズの登録証明書を確認し、他社への紹介を制限していないか問い合わせる
よくある質問
Q1:媒介契約を結ばずに売却できる?
法律上は可能ですが、自分で買い手を探し、重要事項説明も行わなければならないため、現実的ではありません。不動産会社の媒介を利用するのが一般的です。
Q2:専任媒介で有効期間中に他社に乗り換えたい
正当な理由がある場合は解除可能ですが、広告費の実費請求がある場合があります。まずは担当者に事情を話し、円満な解除ができないか相談しましょう。
Q3:複数の査定を取った後、一般媒介で全社に依頼していいか
可能です。ただし、複数社に依頼する場合は、各社に「一般媒介で他社にも依頼している」ことを伝えるのがマナーです。
Q4:媒介契約の仲介手数料はいつ払う?
売買契約が成立した時点(または決済時)に支払います。売却活動中は費用は発生しません。
Q5:仲介手数料の上限は?
宅建業法により上限が定められています。売却価格400万円超の場合は「売却価格 × 3% + 6万円(税別)」が上限です。
まとめ
3種類の媒介契約の違いをまとめます。
| 契約タイプ | 最大の特徴 | こんな人に向いている |
|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 最も積極的な売却活動が期待できる | 早期売却優先、信頼できる1社が決まっている |
| 専任媒介 | バランスの良いスタンダード | 初めての売却、1社に任せたい |
| 一般媒介 | 複数社を競わせられる | できるだけ高く売りたい、複数社を比較したい |
媒介契約を選ぶ前に、まず物件の相場を把握しておくことが重要です。相場を知ることで、査定額の妥当性を判断でき、不動産会社との交渉でも主導権を持てます。
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